きまぐれオレンジロード〜あの日に帰りたい〜感想

1988年作品

『きまぐれオレンジロード』あらすじ

春日恭介、中学生3年生にして、転入…。 原因は、春日一家は、“超能力”一家だった。その能力を、度々、見せてしまう妹双子たち。 

それで、この大切な時期にも関わらず、転校騒ぎになってしまい、その街に引っ越してきた。 その日、恭介は、引っ越した先の長段の階段に登っていた。 

すると、何処からか、赤い麦わら帽子が飛んできた。 其れを恭介はキャッチ。 その帽子の相手は、同じ街の女の子だった。 

転校先で同じクラスメートの赤い麦わら帽子の女の子、鮎川まどかに会い、話しかけるが不良のまどかは、無視。 

まどかの不良後輩、ひかるは、ひょんな事から、恭介を好きになる。 其処から、恋の三角関係が始まる…。

 この映画は、彼ら恭介・まどかが、高校生になり、後輩のひかるは、エスカレーター式の同学校の中学生と言う処から始まります。

『きまぐれオレンジロード〜あの日に帰りたい〜』感想

この作品自体は、まるっきり、原作とは違う。 

if(もしも)のオレンジロードの終わりかた。 だが、メロドラマ過ぎて(メロドラマ…昔よくあった恋愛ゴタゴタの愛憎劇)、人気TVアニメシリーズや、原作漫画とは全く違う。ギャグもなく、超能力も無い作品。 

 驚きなのが、OVA(オリジナルビデオアニメ)ではなく、この作品は、映画だった。 映画はあらかた脚本が出来てから原作者に見せたそうだ。その時に、漫画原作者のまつもと泉は、この作品は「パラレルワールドだ」と言ったそうだ。

 映画自体のお話は、“きまぐれオレンジロード”の‘オリジナル’の恋愛の決着の付けかた。

 メロドラマ(愛憎劇)と冒頭に書いた様に、別れる時は、ひかるを引き離すシーンが印象的だった。 

もう、原作漫画のヒカルとまどかとの決着の付けかたと違いすぎて、発狂ものです。 この大好きな作品・TVアニメと漫画を何度も見て、昔、何処かで映画はレンタルして見て愕然とした。

 今なお、シン・エヴァの映画を見て愕然として(エヴァを終わらせたのは良いけど)いるのに、希望の作品や明るい映画を見れば良いのに…。何故か、この映画を見てしまった。

近年、この作品の鮎川まどか役鶴ひろみさんが亡くなり、原作者のまつもと泉さんも亡くなった。

その時に、改めて、お別れもしたい意味でも、感謝の気持ちや色んな感情で、映画を見るなり、漫画を買うなりしたいと思ったのだが、忙しさにかまけた。 

今回、たまたま、短い時間の映画と言う事もあり、見ました。

 流石に…今の時期だけど、予定されてた映画はほぼ、邦画は厳しく辛い作品が多いので(鬱展開や、くらい作品て日本らしい作品ではあるけど)、レンタルや他の媒体で見ても、辛い作品を見る事には変わらなかったかなと思った。 なので、改めてこの作品も暗いけど見た。


さて、お話しは飛んだけど、本筋に戻すと、たぶん、この本編を原作漫画の様に、恭介とヒカルちゃんの明るい?終わりかたを思いながら当時見たら、とんでもない別れかたで、私は、女性としても、辛くて泣いた。

 本筋が、納得もいかないのはもちろんの事、本気で恋愛をしている人にとっては、こんな別れかた辛いだけで。 

私も、こう言うぐちゃぐちゃな別れかたを、してしまった事があるけど、この映画の事なんて、頭の片隅にも無く、同じことをしてしまった…15年前。

簡単に、ヒカルと別れるわけでもないのは、当然だけど、TVアニメシリーズで、漫画原作とは違うお決まりの恭介のセリフ「〜な訳で」と言うギャグっぽいセリフも一個も出てこない。 ‘きまぐれオレンジロード’とは、思春期の青春と、性へのモヤモヤ(週間少年ジャンプ漫画だけど)と、コメディタッチで描く超能力とで構成された恋愛漫画。 それなのに。映画は、厳しいものだった。

ちなみにこの映画の中で、まどかと恭介がデートで映画に行くシーンに『タッチ』(少年サンデー)の映像が挿入されている(笑)。 

オレンジロードが、東宝映画だが、タッチも配給東宝だからだろうか。 一応、このアニメ『タッチ』も、幼馴染のみなみと双子の兄弟達也と和也の三角関係なので、きまぐれ〜とも対比になっている。

 大人になってこの映画を見ると、冷静に見れるが、当時のきまオレファンは、憤慨したのでは無いだろうか。

 何度も書いてしまうが、原作漫画だと、ヒカルは、まどかと恭介の関係を何となく知ってたと思うが、ヒカルが恭介をビンタし、其れで三角関係は、終わる。

その、漫画の終わりかたも、ひかるらしいし、サッパリしてる。 ヒカルは、アニメの甘ったるい声とも印象が違うと言うか、サッパリした子なんだ、本来は。 

あんな映画みたいに、グチャグチャ別れたくないだの言わない。 漫画の終わりかた…ヒカルと恭介の別れかたが、気持ちよくて、ヒカルも大人で、この映画の様な子供子供してる終わりかたは、号泣でしかない。 

 確かに、漫画もアニメも見ていて、きまオレファンには、とてもとても………当時は、主人公恭介の‘優柔不断さ’にモヤモヤしたよ。 しかも、主人公恭介の声優さんは、古谷徹。 

ガンダムでは、アムロ・レイで主人公を演じ、ジャンプ作品としては、聖闘士星矢の星矢、ドラゴンボールのヤムチャを演じていて、その後(最中)の‘きまオレ’ですよ。 

もう、気が狂いそうになったよ、見てて。 大好きなアムロ・レイからの、星矢とヤムチャをやりながらの配役…。 

久々、戦いでも無いしかも、優柔不断なモテ男の様なジャンプアニメの主人公!訳が分からないでしょう………。 そんな想いがあり、TVアニメシリーズ(OVAもありましたね)を見続け、このifの結末………。

到底、納得がいくもんでない。 いや、本当の終わりかたは、まどかと恭介の恋の行方であるけど、通過点でない程、三角関係だったヒカルちゃんにスポットを当てたこの作品は、作りたい気持ちも分かるけど。 

同人誌で良いよね………。 見てて辛い。

ヒカルは、原作漫画を読んでた時は、アニメの声優さんの高い声はイメージには合ったし、本当に、勘違いをして始まったヒカルの恋だから、一方的で、アニメも漫画もウザいくらいに両思いの2人を何で邪魔するの?くらいの存在でした。 

だけど、この作品は、明らかにヒカルへのイジメでしょう。何でリアリティを追求して、“きまぐれオレンジ⭐︎ロード”をメロドラマにしないで欲しかったなぁ〜…。

原作者も了承してない作品なんて。 今になると、この映画は、ヒカルちゃんの絶望からの立ち直り→少女の成長なのかなぁと思う。

 最初、映画見た当時は、失恋悲しい、辛い、分かる…絶望!と、思ってたし、ヒカルちゃん好きじゃなかった割に、かわいそすぎると、思ったけど。今見ると、号泣で見れないって事はなかった。


他の人の映画の感想もURL貼っておくので、チェックして下さい。

  1. 映画フェイス(ロイ・フェイスさんてかたの映画感想。映画としてのこの作品を褒めてる。このかたの、映画情報量があり過ぎて、この映画監督が何の映画に影響されたかであろう事由を書いている。)
  2. 勝手に映画紹介!?(eigasukiさん?のブログ。まどか派で、アニメとしてのヒカルの終わりを良しとしたとか。 この時は、この作品はDVDになってなかったのかな。確か、原作者もこの作品を了承してなかった事から、DVD化は難しかった様だが、後に日本ではないがBD化されてるのがある〈下にリンク貼っておきます〉)
  3. 細か過ぎて伝わらないかもしれないブログ(ギシマジンさんのブログ。3人に幸せになって欲しい旨が書かれている。)

この映画は、星2かなぁ。まどかの、原作っぽいセリフが良かったかな…。「私…私、また馬鹿やっちゃった」みたいなセリフ。鶴ひろみさんが言うとサマになってカッコ良いし、まどかがヤキモチを口にするのも良い)。

 原作付きではなくて、ただのオリジナルアニメなら、良いかなと思える映画だったけど。 原作の別れかたと違いすぎるメロドラマの終わりかたが悲しかった。 世間では批判されても、其れでも、古谷さんはこの作品は、好きだと言うけど。(古谷さんの自伝書より第3章参照) 私は、原作を考えるとこの作品は、好きじゃないなぁ。

  きまぐれ⭐︎オレンジロードのDVDか何かの記念の特典での3声優のインタビュ画像があったので、貼っておきます↓

まつもと泉先生の追悼本は、まつもと泉先生のご遺族に寄付されるそうです。(https://amzn.to/2OPjoDd)

 日本では版権が?(まつもと泉先生も了承してない映画)という事で、外国ではBlu-rayあひます。言語は日本語です。 きまぐれ⭐︎オレンジロードコンプリートOVA &映画[BD](https://amzn.to/3eQ4Huq)円盤化してたとは聞いたけど、まさか外国でとは思わなかったな。 

それこそ、版権大丈夫?って感じですが。VHS(ビデオ)しか持ってないよう〜と言う人は、此方を。 

 大体の映画は、海外版のノーブランドではなく、海外版の正規店で売ってるかチェックしてみると、たまに日本で円盤化してないのが、海外版でありますよ。

きまぐれじゃないオレンジロードのファンアート

      “きまぐれオレンジ⭐︎ロード”fan art

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