フライングドッグ10周年記念長編アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』感想

2021年作品

まずは、フライングドッグ様!10周年記念おめでとうございます!

フライングドッグ自体、アニメ映像の会社であろうと言う意識はあったけど、フライングドッグが、ケンウッドの子会社とは知らなかった! だから、音響にこだわりもあるのかもね。

フライングドッグは、古くは、『あやつり左近』とかから…CLAMP作品の『X』や『ちょびっツ』もあり、『ガンダムSEED』などなど結構、色んなジャンルをしているんですね。

 最近だと『ドメスティックな彼女』くらいしか知らないな。 私がTVアニメをしらみつぶしに見てないので、ヲタクになってしまった夫は、『八男って〜』が記憶に新しいのではないかな。

あと、『マクロスΔ』ですね。知ってるのは。

 色んな仕事を経て、今回、満を辞して、この夏に送るのはこの『サイダーのように言葉が湧き上がる』。

色遣いがPOPで、夏にピッタリの青春、恋愛もの。 面白くない夏青春物語を送る訳がない。

そんな期待を胸にしてた。 先日、番宣の特番でもあったけど、私はあまり見なかった。

それでも、可愛い絵柄を楽しみに、見た。

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それでは、あらすじから書いていこう。

アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』あらすじ

 フジヤマさんは、レコードを手に、探している。

地方都市“小田市”の大型ショッピングモールから一歩出ると暑い真夏。

 夏も7月中旬。 日差しが降り注ぐなか、チェリーはフジヤマさんを探す。

ようやく、商業施設から外に出て何かを探しているフジヤマのお爺ちゃんを見付ける。

フジヤマさんは、探してたものが見付からず、とりあえず、大型ショッピングモールの中のデイサービスに戻ろうと、チェリー(佐倉)は手をとり、中に誘導する。

 そのショッピングモールには、出っ歯を気にしてマスクをしてる有名配信者スマイルが、配信をしに、やってきていた。 ショッピングモールでは、ビーバーがいつもイタズラをしていて、その時もアイドルの等身大看板を手にした。 警備員が、いつものビーバーか…と、捕まえにくる。スケボーで逃げまくるビーバー。 ショッピングモールのイベントスペースでは、赤ちゃんのハイハイレースが行われていた。

其処で居合わせる、フジヤマさんを連れたチェリーと、スマイル。

 ビーバーにぶつかってしまい、吹き飛ばされる2人………。

その時、2人の携帯電話が吹っ飛び、手にして持って行く時に、入れ替わってしまう。

 其処から、2人の出会いと物語が始まる…。

アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』感想

 簡易的すぎに、あらすじを書いたが、まず、こう、キャラクターの位置付けと紹介が上手い。

長編アニメ映画でも、オリジナル作品であるし、簡潔であり、印象的でいつも其処に居る…当たり前の日常を想像させる人物像を紹介するのが上手い。

 チェリーが出る前に、このタイトルのメインテーマの’俳句‘が所々に溢れる。

何故こんなにも書かれているのか?と思ったら、ビーバーのラクダキだった。

 スマイルの紹介にしても、出た瞬間可愛いだけでなく、出っ歯を気にする乙女で矯正してる歯も気になって仕方ない姿が可愛い。

 何より、初めからPOPな色遣いがオシャレだ。

2人の出会いも、少女漫画のように、あまり良くない印象をスマイル側はしてしまうけど、いつしか恋に変わる様子が、これまた可愛い。

そう、この映画は『可愛い』で溢れている。

 俳句がわからなくても、スマイルの言う“かわい”が満載。

 フジヤマのお爺ちゃんはレコードを探し求めてるけど、両面ジャケット(レコード昔、家にあったけど、両面ジャケット見た事ない!本当にレアものなんだろうな)も可愛いし、スマイルの家の三姉妹が住む家がまず可愛い。

主人公ら(チェリー、スマイル姉妹)は夏休みだからかもしれないけど、“学生”というカテゴリを出さず、自然に縛られていない。

田舎でも楽しく、チェリーは冒頭は、陰キャで囚われてた感じはあるけれども、全く暗いだけではないのは、ジャパンやビーバー、タフボーイが居るから。

 ただの趣味が俳句と言う今ではマイナーかもしれない、日本古来の文芸を好んでいるだけで、陰キャではない。

ただ、雑音が苦手なだけ。

チェリー自体が言っていた様に、“俳句を詠まなくても”俳句を作って言葉に気持ちを乗せてるから、言葉にしなくても良いだけ。周りの音より、心穏やかに静音で、いたいだけかもしれない。

ただ、周りのキャラも濃く、五月蝿いが、此れはチェリーくんとの対比であろう。

 そんなチェリーくんがスマイルちゃんと会う事により、変わっていく世界。

 目の前がキラキラで明るさが増すのは、この作品の色使いでもある。そして、この作品の夕日がかかる時間帯の街頭が緩やかに点くがパッと綺麗な色合いにも周りの空気の色とも相まって素敵な演出が成されている。

 そうしてチェリーくんが、“フライング”と言う言葉を使い、初めてスマイルちゃんに俳句を聞かせる。

(その“フライング”って言葉、フライングドッグと掛けてるんだねと後から気付いた) 

 俳句の出来とか判らないけど、心に響くモノがあれば、それは上出来という事だと思う。

 所々にあるビーバーのラクガキも、意味を成すし、字体も含めて素敵だけど、ビーバーのやってる行為はあんまり宜しく無い。ただ、アニメだからあぁいう風にショッピングモールで暴れられる。 これ、実写だと難しい表現だけど、今時代はオリンピックもしてるので、こういうスケボーで実写でやっても面白いかもね。泣けるのが、倍増する。

 また、ビーバーの路上に書くラクガキ行為は、タキングと言い、アートとして見做されるが、日本では犯罪にもなりかねない行為なので、この作品の感動の終わりの後のエンドロールに“タキング”行為について注意点が書かれている。

 まぁ、これもアニメだから出来る事だけどね。

それに、このグラフィティ自体は…アニメの世界では素晴らしいスパイスになってる。

街中であるタキングで、渋谷の汚ねぇ路上に書いてあると、其処を盛り上げる処か盛り下げてるからね。 ラクガキ=ラクガキ出来るだけの柔い場所と見られ、犯罪しやすそうみたいに思われる。

よく、ヒップホップやラップの荒れ果てた街PVにも路上のタキングありきだ。

 荒れ果てる=デザイン化してないラクガキみたいに思われるのも、違うけどね。タキングやらは、立派なARTの一環もあるから。 バンクシーが有名な処よね。

 まぁ、アニメなので犯罪にもならない…ビーバーは毎回、ショッピングモールの警備員に追いかけられてるっぽいので、犯罪と言うより、ラクガキがイタズラだけの世界なのかもしれない。

 俳句がタキングなんて、カッコ良いよね。

ビルの屋上では沢山のチェリーの言葉がビーバーによって書かれてる。 あれだけマジックで敷き詰めて書くと気持ち悪いかもしれないけどね。

俳句…最初にチェリーが老人たちの前で発表したのも全ての俳句がチェリーみたいな高校生くらいの?男子がパッパッと思いつくのも楽しい描写。

 スマホが入れ替わってからのスマイルちゃんとの急接近が、結構、恋の順序通りと言うか。 ビックリな出会いで少しずつ、恋になってく形であろう。

 俳句発表をショッピングモールでやると言うのも、新鮮。あぁいう先生居るよね。 実際に映画館でも、洋画を英語教室の題材に使うのに、10数枚購入してた英語の先生が居た。映画館のお客さんで。

 ちなみに映画は“午前10時の映画祭”と言う企画上映の古い作品だった。

 話しを戻すと、俳句は、チェリーくんが、フジヤマさんを師と仰いで興味を持ったみたいにホームページのキャラクター紹介に書いてあったけど、作中には其れがあまり反映されてなかった。

 チェリーくんが俳句が好きってのは、趣味の範囲で、俳句コンテストに出るとかも何も無いままだった。 まぁ、ただの趣味で良いのかな。

 チェリーくんの位置付けが、ちょっと陰キャっぽくて、周りの音を塞ぐヘッドフォンを付けてた上に、趣味が俳句で、大人しい印象とかにしたかったのかな。

 対比がスマイルちゃんで、家族も多く、カラフルな色合いの家に住む。 いつも明るいけど、年頃で出っ歯を欠点と思い、歯科矯正中。 マスクを着用して、そのまま動画配信する配信者。

そんな2人が、甘酸っぱい恋愛のスタートを切る、そんな話し。

 その中には、フジヤマさんの存在が大きく、フジヤマさんの思い出のレコードを探すのを中心に物語は展開していく。フジヤマさんの奥さんの思い出も、可愛かった。 スマイルちゃん姉妹、チェリーの周りの仲間も良い感じに関わっていくけど、スマイル姉妹はスマイルちゃんがショックを受ければ一緒に泣いてくれる。親はあくまで影でだが、暖かく支える。 それは、チェリーくんの両親も同じ。チェリーくんを見守っている姿が、日常の当たり前にある光景。 チェリーの仲間も、賑やかだけど協力的で、チェリーくんが良い人間関係を作れるのは、チェリーくんの人の良さがあると思う。

 この作品は、俳句が必ずしも中心でも無い。もちろん、最後のメインに出るけど。 

『当たり前の 暖かい日常。そして、夏の淡い恋。』まさに、タイトル通り“サイダーのように”シュワーっと溢れて美味しい。

 監督はイシグロキョウヘイさん。サンライズに制作進行で入り、数多くのアニメ作品に携わってきたが、監督は『4月は君の嘘』くらい?らしい。

 声優は、主役とヒロインは俳優さん。主役チェリーに市川染五郎。なんでだろう?歌舞伎のかた…よく知らないけど。ヒロインに、杉咲花。なんで、この2人なのだろう…。 杉咲花って、チエ・カジウラの娘だったんだ。知らなかった…。(チエ・カジウラは、マクロス7の歌ミレーヌ)杉咲花自体、役者として知ったのは『湯を沸かすほどの熱い愛』かな。 なんでこの2人?と思ったら、監督が、オファーした様ですね。公式ホームページ見ると。 キャラクターにピッタリのイメージの声を探していたら、抜擢されたのが俳優さんだったって話し。

周りを固める声優陣はベテランで、フジヤマさんは、山ちゃんとだった。気付かなかったけど、確かに頭の中で思い返せば、山ちゃんだ。ビーバーは、潘めぐみか。ハンター×ハンターではゴンのね。ジャパンは、花江夏樹。ヲタクっぽいキャラで花江さんの今までしてたキャラの印象が違うな〜。タフボーイは、梅ちゃん。ジュリはまめぐ。マリは諸星さん。つばき(フジヤマさんの娘)は、井上貴久子…永遠の17歳。 ベテラン声優陣だ。

 この作品自体は、コロナ禍で延期になって、当初2021.06月に公開だったのが、7月公開になったけど…作中に7月表記があり、7月中旬から物語が始まってると思うので…確か7/22辺りの表記が見えたと思うけど。公開が7/22になったので、それは合わせたのかな?日付を。 それならすごいし、公開日に見るとなんだか日付ピッタリな映画だった。

音も独特。やはり、ケンウッドの子会社だけあって、こだわりを見せる。 映画館で最初、体感した事がない様な音遣い?と思った。 冒頭の音楽から、左から右に突き抜ける様なサーッとした音。そして、メインの‘フジヤマ’曲だが、大貫妙子さんじゃありませんか!!! 優しい声であり、シッカリと耳に残る声。私で知ってるシンガーソングライター。歌手であり、作詞・作曲もする。 ヲタクだと『MOTHER3』や『映画 どうぶつの森』などの人といえば伝わり易いか。 大貫妙子さんの声が、最後に流れて涙ちょちょ切れる!優しい声にウットリしてしまいました。

そんな音楽にも拘って、夏の風物詩の1つになるであろう夏映画としたい、この作品! 有名アニメ映画で監督作品!と言えば、ジブリ、細田守、新海誠に次ぐ監督作品と言っても良いのでは無いでしょうか。 

単に、面白い!おススメ!と言える。

この2021年夏に、感動して下さいッ!

評価 :4.5/5。
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