『クワイエットプレイス2ー破られた沈黙ー(2021年映画)』ネタバレ感想

2020年作品

とりあえず、面白かった!

此れは…全人類に見て欲しい作品。

何故かと言うと、ろう者のかたが、このコロナ禍にマスクしてたら“口が読めない”事への苦労がありありと解るし、手話を用いての会話はいざと言う時、大切になる。 其れを、この映画で知って、勉強すべき作品かなと思ってる。

ホラーだけども。(パニック映画?)

前回の『クワイエットプレイス』の終わりかたと、今回の『クワイエットプレイス2』の終わりかたを酷似させてると言う天才っぷり!

作品の中では、同時多発的に?同時のタイミングで違う場所で起こる同じような状況が、最高だッ!この監督は天才すぎだよねッ?!

 さて、前回の『クワイエットプレイス』は前回の感想ブログでも書かせてもらいましたが、この2を見る為の予習で、深夜で地上波したものを、旦那さんに見せられました。

自ら望んで、見たい!とも思ってはいたのだけど。いざ、見ようと思ったら時が立ちすぎて、どうでも良いとすら、思ってた。 ただ、映画は見始めると、段々とその世界に引き込まれてしまいましたネ…。

 私は、ホラーは好まないけど、何故、前作『クワイエットプレイス』を見たいと思ったのかは…

映画館スタッフ時代、ストア(マルチ化でどの部署もバイトは入れる。シフト組むのは社員。 私の場合は12年もバイトしてたので、全部署行けた)の時に、パンフレットの見本を読んだから。

『クワイエットプレイス』では、実夫婦で主演を務め、しかも旦那さん役のかたは、監督も兼務してるのだ。

大変なご苦労だったろうとも思うけど、1で亡くなってしまうので今作の2では、夫リーは、冒頭の回想シーンでしか、出てこない。

感動は、夫婦で作ってると言う事だけでなく、ヒロインの1人、長女役の子は実際のろう者だ。

そして、この映画の為に共演者が手話を勉強したと言う尊敬出来る点。

あと、パンフレット読んでるだけでも、敵…エイリアンの様なモンスターの正体が分からないモヤモヤ感が、興味をそそった。

前回の映画感想は此方→『クワイエットプレイス』感想

 さて、またこの映画の簡単なあらすじと、感想を書きます。少しでも興味を持って頂いて、クワイエットプレイスを見ようと思って頂ければ幸いです…。

『クワイエットプレイス2』あらすじ

アボット家はリー(父)を失い、頭聴覚のモンスターを倒す方法を見つけたが、モンスターから逃れてやっとの思いで作ったトウモロコシ畑近くの家まで失ったが。

また、安住の地を求めて再び、親子は歩き出す。

モンスターに気付かれない様に…素足で森を進もうとするが、母エヴリンはふと、子供達を置いて、少し待っていてと、倒壊されつつある家に向かう。

母エヴリンは先のモンスターが襲ってくる時、出産前に階段で釘を踏んでしまい、片足には包帯が巻かれていた。

その足のまま、感染症をものともせず、子供を産んだ地下に潜る。 地下には、赤ちゃんを木箱に入れ、モンスターを鳴き声に気付かせない為の酸素吸入器で使う酸素ボンベがある。

地下水の中、泳いで母は酸素ボンベを取りに行くのだった。

 一方、長女リーガンは、長男マーカスに私も家に必要なモノを取りに行くと手話で会話…。

リーガンは補聴器の情報がある、父リーが残してくれた地図を手にした。

地図に丸を付けて。

また、家族は歩き出す。

時は戻り、モンスターが襲来する1日目。

 アボット家は長男マーカスの野球観戦に来ていた。

マーカスが打席に立っても上手い事、ヒット出来ない。家族は、手話で“落ち着いて”と送った。

野球は続いていく。…内に、客席でラジオを置いていた音がおかしくなり、空はおどろおどろしてきた。 空を見ると、隕石の様な物が加速してどこぞに落ちる様子が伺えた。

 皆、雰囲気を察知し、特に警察など指示は出てないが、避難を始めた。

アボット家も長女と父、母と長男次男の車に分かれて走り出す。 走っても、“何か”が車を攻撃している。 父リーは、店へと逃げ追ってくる何かを察知し、身を隠す。

音に反応し、エイリアンは次々攻撃してくる。かわすリーとリーガン。

一方、母エヴリン達も襲われて…。 地元の警官の攻撃で一命を取り留めるが…。

 現代に戻る。

もう、近所に誰も居なくなったと思われる森の中を進むと、橋の上に火が灯っているのは見える。

そしてその先に進むと、廃墟となっている立ち入り禁止の工場の様な跡地が。

 中に踏み込むと、音を立てない様にしていたが、罠が仕掛けられており、長男マーカスが片足を持っていかれる。 罠で片足を大怪我したままでも、エヴリンはマーカスの口を押さえ、頭全体聴覚のエイリアンに気付かれない様にしようとする。

だが、エイリアンはくる。

 家族は逃げる中長女リーガンが補聴器の音から出る不協和音でヤツを倒せると先のエイリアンとの戦いで解ったので、リーガンは自分の補聴器と、音を増幅するスピーカーを手に、エイリアンの苦手な音を出し、その間に銃で撃つ。

 また、他のエイリアンが来たところで、‘誰’に掴まれる。エイリアンから逃れる為、酸素の薄い大きな炉の中に隠れる。 そして、数分の間だが,息を潜めエイリアンが立ち去る。

‘誰か’とは、かつてのアボット家の知人エメットだった。 一人で食料もなく、誰も信じず生きている。 

出ていってくれと言われるが、マーカスが大怪我をしているので、あまり身動きがとれない。

 マーカスの手当てをするエヴリン。痛がる大怪我を歯を食いしばり耐えるマーカス。 リーガンが手に持つスピーカーにラジオがついていて、痛がるマーカスの耳にヘッドホンを付けてあげる。すると、誰も生きてない様なこの世界で、そのラジオから、音楽が聞こえる。

エメットは、そんな音楽はラジオの音ではなく、内臓されてる音楽だと、何も信用しない。

 リーガンは、その音が鳴る場所は近くにあると、父の暗号解析をしていた地図を手に熱弁したが、信じてもらえない。

 翌日。

リーガンは1人でその地図の場所、“島”に向かう。

驚く母、エヴリン。 エメットにリーガンを連れ戻す様に懇願する。 エヴリンは大怪我をしたマーカス、赤ちゃん、そして自身の足の怪我も治っていないのと三重苦を抱えているから。エメットは、1人の今の工場跡地に着くまで、どれほどの信じられない人間を見たかと苦しんでいたと、断る。 エメットの家族も失い、自分しか信じられないと。

 リーガンは、1人でチェックした地図まで進む。 

道の通りには電車がある。 そこでその車両の救急箱を取りに向かう。

オトを立ててしまい、スピーカーに補聴器のオトを流し対抗するが…銃が1発目外してしまい、2発目を充填が片手でうまく出来ない…。 危機一髪!の処で、エメットがエイリアンを撃つ!

 エヴリンもマーカスの手当ての包帯を取りに危険を顧みず、街の薬局に向かう。 マーカスは赤ちゃんをあやしつつ、待つが、エイリアンが来てしまう。

炉に逃げ込むマーカスのと赤ちゃんだが、炉の錠が閉まってしまい、炉の中の空気が薄く朦朧としてくる。 その時に、エヴリンは戻るが…。

 その頃、時を同じくして、港にたどり着くエメットとリーガンは、他に生きている子供を見つけるが…。

果たして、‘破られて沈黙’とは? リーガンの見つけた‘島’に希望はあるのか?

『クワイエットプレイス2ー破られた沈黙ー』感想 (A Quiet Place partⅡimpression)

とにかく、面白かった^_^

1の続きでも、ここからでも入れる。 ただ、1を見てるとより、面白いので、興味あるかたは、絶対1も見て、2の評価もして欲しい。

まず、公開前のCMでは、前日譚も描かれてる…と言う作りだった。

 ただ、この前日譚はサラっと流れるかと思ったが、シッカリと書かれていた。エイリアンが、発生するまで。1日目で隕石の様なモノが落下した後、現れたエイリアン。

最初は、発生源も分からずだがあんなにハッキリ画面に隕石の様な落下のシーンがあったら、アレに乗ってきたと思う。

発生した?エイリアン…地球外生命体は、隕石に乗ってきたとして。 何に反応するか、人間を襲って食べるのか、あまり分かってない1日目だった。

地元の警官の銃で応戦しても、殺せなかった。よく分からないまま… 恐らく、音には反応するのは確実と認識出来たシーン。

そのエイリアン飛来1日目から、アボット家は生き残り、大黒柱のリーを失ってから474日後。ゆうに1年と3ヶ月あまり経っていた。

 家を失い、辿り着いた立ち入り禁止の工場?跡地。 

母エヴリンは、此処にたどり着く前に、1の赤ちゃんを出産する前に階段で釘を踏んで大怪我した足を包帯で巻いて治療をしてたが、感染症になってもおかしくない地下水の中を潜って、朽ちかけた家の地下に入り、赤ちゃんの酸素ボンベを取りに行くシーンは、息を呑んだ。 マジで、最初から、エヴリン無茶するよなと、思った。

エヴリン役エミリー・ブラット

エヴリンだけで言うと、元医者なのか看護師か。前日譚には出てなかったが、クワイエットプレイス1でもその手当てをしている様なシーンはないものの、頭脳明晰であろう事は、確実で。 子供を治療したり、1人で出産したり。 彼女は、1人でも強いが、夫リーがいたからこその強さもある。

だが、リーを失っても、1の最後では、エイリアンの弱点を明らかになった時に、娘のリーガンとエイリアンに立ち向かうのは、強い!そして、今回も、母として、唯一の家族の中での大人として、勇猛果敢に戦う。

エヴリンは、息子マーカスの足が罠にかかっても、マーカスの口を押さえ、手当てをしたり、手当ての包帯を1人で取りに行ったり、今回も活躍している。

1では、リーとエヴリンが主役だろうが、夫リーは、死んでしまったのは、監督であり、本当のエヴリン役エミリーの夫ジョン・クラシンスキーが、彼女を中心に、主役として輝かせる為に、引いただろうし、そう言う脚本にしたんだろうな。

夫リー役ジョン・クラシンスキー

そして、エヴリンの頭の良さよ。 マーカスの為に包帯を見つけに行った帰りにマーカスを襲うエイリアンを殺そうと、思索した結果、スプリンクラーをチラッと確認し、エイリアンを所定の場所につかせ、そこにガスボンベを置き、引きつけてる間に、ガスボンベを打つ。

そして、スプリンクラーが発動して、水の音に掻き消されてる間に、自分とマーカスがまた、炉の中に逃げ込む算段。 なかなか、出来ないよね…。

一瞬で周りの使えるものを察知して、そこまで計算して…上手くいかなかったらを考えずに、上手く活かす。

あと、これは、後ほども書くだろうけど、娘リーガンが海岸でエメットと手を組み、エイリアンを倒す時、火を放ってるのだが、そのシーンと、エヴリンのガスボンベを打ち火が出るシーンと、同じ時間に同時刻として2場面で魅せてる趣向が、なんとも監督のセンスが上手すぎる!

そういう訳で、今回の主役はリーガンであろう。今度は、リーガンのはなし。

リーガン役のミリセント・シモンズ

リーガンは父リーの死を越え、まさに一瞬で成長した。

役者さん自体も、成長期であろうが、前作『クワイエットプレイス』の映画感想でも書いたけど、ご本人ミリセントちゃん自身も、聴覚障害を持ち、手話を主な言語にしていると。

彼女は…本当に、皆に希望を与える女優だと思うよ。 この作品が、ホラーではあるけど、全くと言ってオドロオドロしくはなく、人間ドラマもありきだと思う。

そういった意味でも、全人類に見て欲しい作品でもある。 手話を言語とし、世界共通であろう手話を、手話が使えなくてもある程度のジェスチャーで伝えられる世界を、学べる映画であると。

 もし、何かあった時に、手話やジェスチャーは出来る表現であり、このコロナ禍の世界にも、マスク生活故に必要な感情の表しかただと思う。

評価出来る作品だ…と。

 話しを、リーガンに戻すが、その表現を手話を表情豊かに伝えている。

エイリアンから逃げる時は流石に、出せないが、例えば、今回の映画のエイリアン飛来1日目から、父リーと逃げた際も、父と手話で会話し逃げる事、話さない事を、やりとり。

また、エメットは手話は出来ないものの、港に一緒に行き、船を見つけた際に、他の人間と会い、罠にかけられてエイリアンの標的になってしまうが、リーガンにジェスチャーで、海に飛び込めとサインを送ると。

そういうジェスチャーや手話でのやり取りの中にも、もちろん顔にも表情をつけているが、手話の速さやジェスチャーのゆっくりさをつけ、ハンドサインにも表情がある様に思えた。

 リーガンは、手話を言語にもしてるけど、エメットの口を読んだりも若干していたので、そういう表現の中に生きている。 島に辿り着いた際には、束の間の平和を他の子供たちに話せないながらも表情豊かに表現もしていた。

今回は、地図を示し、なき父リーの座標を元に1人で行動してみせる。 それは、弟達を守らなければいけないという思いもあったのだろうし、父とは喧嘩ばかりしていて、最後には補聴器を手作りし守ってくれたと言う事を噛み締めていた様に思う。 

何と強い成長だろうと思った。そして、今回も、エイリアンへの反撃の時に力強い表情を見せた。

最後の反撃のシーンも、弟マーカスと母エヴリンがラジオから流れる不協和音…リーガンが放送局から流した補聴器の音を頼りに母子と、リーガンと同時のタイミングでエイリアンを弱らせ、決着をつける。 その見事な画面割りの手法、演出に、また、前述した炎のシーンでも書いたが、監督天才すぎる!と思った。

そして、今回は弟マーカスも、片足をやられてしまうが、大奮闘していた。

マーカス役ノア・ジュブ

このマーカスくん、今回は、自分の下の子が新たに生まれた事で赤ちゃんを子守しながら、ちゃんとお兄ちゃんしていた。1でもちろん、弟ボーが居た時も、ちゃんとお兄ちゃんとしては接していたけど。

 ボーの時は、もう幼児でも歩けたので、手を引っ張ってなくても良かった。

処が今回は、赤ちゃん。 相当、大変なお世話だ。 赤ちゃんをみながら、エイリアンから逃れなくてはいけない。 そして、隠れたのも束の間、包帯を街に取りに行った母が戻り再開出来たが、また違うエイリアンに襲われる。

すんでの処をラジオから流れる、あのエイリアンの苦手な不協和音と気付き、エイリアンに攻撃を加える。 そのシーンの終わりかたが、1と同じ“反撃の時!”と言う終わりかたで、1と2を同じ終わりかたで終わらせてる監督は本当に素晴らしすぎる!

 今回、新たな仲間としてエメットや、島に辿り着いた際の仲間がいる。

エメットに関しては、本当に何があったんだろうと言うくらい、人間不信になってエヴリン達と再会するから、見てて心苦しい。

エメット役キリアン・マーフィ

ただ、このエメットをエヴリンが説得して、リーガンに付いて行ったから、お話が進んだ。

 気になったのは、アボット家は全員、1から音を立てない様に裸足で移動してたけど、靴音くらいなら平気と言わんばかりにエメットは革靴で歩いていたね。

今回、新たに安住の地として、エイリアンは泳げない弱点を知り、島にアメリカの国旗を立て、数十名で暮らしていると言う場所が見付かった。

ただ、エメットとリーガンが乗ってきた船に引っ付いてたエイリアンが1体、島のほとんどを荒らしたんだけど。

 他の人間を受け入れる時には、用心しないとそういうリスクがあるもんだと言う社会の縮図を見ている様だった。

とりあえず、1で反撃の時!と補聴器と言う武器が出来たけど、其れを増幅させるスピーカーと、島では世界中に流せるであろう放送局を手に入れたので、反撃が急激に進んだかもしれない。

 

上手い作りの映画にただただ感心し、頭の良い人が作品を作れば謎は全て回収されるし、何より面白いと言うのがよかった。楽しい作品でした。BGMもヌメっとしてて耳に残る。

再来年に3をやるという事で、楽しみにしています。

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