『シン・ウルトラマン 空想特撮映画』感想

2022年作品

2022.05.18に観ました!

庵野信者では無いのですが…『シン・エヴァンゲリヲン』を見てから、なんじゃこりゃと、なりましたねえ。新規のファンからしたら、庵野監督は、本当に面白く分かり易い作品を作ってると思うかもしれませんが。

 いやいや、エヴァがこの世に生まれ排出され、あの夕方の時間帯に子供向けと煽れそうで(当時は週末夕方でロボットものをしていた。夜中アニメなんて流行ってなかった時代。(但し、深夜アニメは実は昔からやっていた“深夜アニメ”Wikipedia) 1995年。

ワクワク感から一気に、気が狂うような展開になるTVアニメ。 主人公シンジくんを見て鬱…そして最終回での解放。それで終わりで良かったにも関わらず、映画化。(旧エヴァ)

そして解き放たれた答えの筈の旧エヴァ映画からの、シン・エヴァ。約25年の時を経て決着したセカイ。 ただ、到底、25年の答えには納得し辛いモノでした。

 “エヴァ”という事が、トラウマ作品になってるのは、95年からのファンだけかもしれない。何度、映画化しても到底、納得のいく答えを得られなかったからと思う。

 さて、エヴァの話しは置いときたいけど、大まかに言って、今作品の『シン・ウルトラマン』は樋口監督作品である。 だが、エヴァの話を書いたのが、樋口真嗣監督をエヴァから知った人がほとんどでは無いかと思う。

ある時は、シン・ゴジラの監督(総監督は庵野)、今は今作『シン・ウルトラマン』の監督である。今作の総プロデュースと言えるのが庵野ではあるが…脚本、宣伝総監修(エンドロールの表記で見ただけでこの明記かと思ったらWikipediaで見たら“総宣伝監修”という名前だった)、編集、モーションアクターなどなどをしてはいる。

  エヴァやシン・ゴジラやを経て、この樋口監督の存在を大いに世間に知らされたと思うのですが、どうも今作も庵野監督の名前が前面に出てしまってますね…。 更に、今、庵野セレクションとして、ウルトラマンの庵野セレクションも劇場で上映決定です。

『シン・ウルトラマン』の作品が全面的に庵野色と言うのは仕方ないですね…ここまで関わっていては。

大ヒットおめでとうございますですし、感想を大まかに言うと、面白い…。けれど、リアタイでウルトラマンを見てた(私はウルトラマンは再放送世代又はウルトラマン80世代だろう)ので、こんなんだっけ?ウルトラマンは…と思った。

私自身、当時は女児で、ウルトラマンや仮面ライダーは放送していたが、そんなに…覚えていない。何度となく懐かしの特集でか再放送でか見た“バルタン星人の回”だけは切なく悲しいなと言う記憶はある。

ウルトラマン自身、ウルトラマン80以降、16年間も制作されていないのだから、女児以降、私が成長してもTVで見る事は再放送又は懐かしのTV特集以外なかったのだから、1980年代前後に生まれた人には根付いて無いのは致し方ない。

 さて、そんなウルトラマン。実は、今10年以上住んでいる豊島区のサンシャインシティで事あるごとにイベントで、来たりする。主に夏休みかな。サンシャインシティのイベント時に、ウルトラマンの像が立つ。

それを愛で写真に撮るくらいは認知度もあるし、近年ならコンビニでのスタンプラリーに参加するくらい、ウルトラマンに好感はある。ウルトラマンって、夢がある。円谷さんが作った賜物である。

 そして、ウルトラマンをイベントで呼ぶなら3桁と言う数字も、噂で聞いた事がある。私がイベント派遣などをしているからだろうか…。そう言う話しが耳にするのは。噂なので本当かは、分かりません。

 『シン・ウルトラマン』のあらすじ・感想を書こうと思ったが、なかなか重い腰が上がらなかったのは、やはり庵野絡みで、庵野がトラウマだから。樋口監督作品と思うけど、SNSなどでは、シンウルトラマンの話題が出る度に毎回、アンノの名前は出てくる。

 それで、筆が進まない。ただ、SNSでもネタバレ解禁的に円谷さんもツイートしてきたのと、最近、舞台挨拶やメディアで特集として出てるので、書いていこうかなと言う気になりました。ちなみに円谷さんのネタバレ的なツイートはこちら↓

ウルトラマンでも、科特隊の隊員が巨大化したと言う旨のツイート↑

それでは、“シン・ウルトラマン”、私の解釈のあらすじと感想を書いていきます。

2022.4月頃の予告(東宝)
2022.5.22公開予告(東宝)
2022.05.23予告(東宝)

『シン・ウルトラマン』あらすじ

(『シン・ゴジラ』テロップあり)

日本に次々と現れるカイジュウ(禍威獣)。其れを倒すべく日々、奮闘する自衛隊。日本には、自衛隊と米軍が力を借り対応していた。

カイジュウを倒すべく結成されたカトクタイ(禍特対)。日本のあらゆる分野から集められた作られた組織である。

 班長 田村(西島秀俊)は、防衛省防衛政策局より出向。警視庁公安部より出向専従班の立案担当 神永新二(斎藤工)。 城北大学理学研究科非粒子物理学専攻の専従班の非粒子物理学者 滝(有岡大貴)。

紅一点 文科省より出向の汎用生物学者 船縁(早見あかり)。

カトクタイは主にPCを用い、カイジュウが出現したら現場の自衛隊に合流。全ての指導緩和カトクタイに預けられる為、自衛隊を自由に動かせる存在。

 過去データを参考に、攻撃の仕方を模索し、過去のカイジュウと酷似しているカイジュウがいれば、其れを迎撃してきた攻撃パターンを自衛隊に指示。

 そんな日々の中、山中に出現したカイジュウの情報を元に現場に到着したカトクタイ。住民を避難させるが、カイジュウとの交戦中に住民の男児1名を目視で確認。

カトクタイは攻撃を模索しつつ、神永の過去のカイジュウを元に提案、そして男児を救出に向かうと班長に伝え、保護に向かう。

 そんな中に、見た事ない熱源が空から降ってくるのを探知し、その巨大な何かが地上に舞い降りる。

 巨大な物体は二足歩行の人型である事が確認出来た。 

自衛隊と交戦してたカイジュウ。米軍の協力の元、ステルスで爆弾を3回くらい投下でも、熱源だけで姿が現れない(電力を食べ強力になると少し姿が出たが)カイジュウ。

 見えないカイジュウと思ったが、その二足歩行の巨人はぶん投げたりで、戦ってくれた。

 カイジュウも勝てないと踏んだのか核がある施設に向け突進し、核を食べようとするものの、巨人は其れを阻止。

また、核施設を庇ってか、核を背にカイジュウと戦う。カイジュウからの熱源のビームを身体一杯で受ける巨人は次第に色が変わる。(全身銀色、ところどころマークのような形が青に変わる。基本は赤色の様だ)

 もしかして、弱っているのでは?と班長が思うが、その巨人はカイジュウを体術以外にも、自分の熱源での光線で倒す。

 そして、倒れるカイジュウ。カトクタイや自衛隊が処理すると思われたが、その巨人は空へ運んでいった。

 班長 田村は、カイジュウと違い、巨人に知性を感じる。

 カトクタイの元に男児を連れて戻る神永。無事にカトクタイ一員が揃い、基地…カトクタイが所属するビルに戻る。そこへ新しいメンバーが到着する。元ニノ四分析官上席調査官で、公安調査庁より出向の浅見(長澤まさみ)。

神永のバディになる女性である。

 神永がバディとは?と浅見に問いかけ、浅見は詳しく答える。少年を助けカトクタイに帰ってきたその日から、少し、おかしい…ような。 カトクタイは神永が公安にいたので、秘密主義ぽい処があるのだろうと、気にしない。

 浅見が来た後に、又、カイジュウが出た。浅見が初めて現場を踏む時、現地に到着しカイジュウと対面する際、謎の巨人が再び現れる。 単独行動をする浅見。

 カイジュウには呼称を付かられるが、巨人にも、(仮)でウルトラマンとの名前が付いた。

地球には、日本にはウルトラマンがいる…。そして又、ウルトラマンはカイジュウをやっつけてはくれた。 次のカイジュウはコンタクトを取ってきて、日本と外交を結ぼうとする。

ザラブと名乗る外星人。そして浅見は消え、ウルトラマンと思われる巨人が暴れ…更には…。ウルトラマンは日本を、世界を救えるのか〜?

映画『シン・ウルトラマン 空想特撮映画』感想

第一の感想は“面白かった”。第二の感想は‘ウルトラマンってこんなんだっけ?’だ。

 面白かったなら、それで良いでは無いか…。そうなのだけど、子供向けでは無いね。多分、懐かしさも今らしさも混同する世界線のウルトラマンだけど。 リアタイで見てたウルトラマンと言うのは、もっと子供に簡単だったのでは。ドラマもあったよ科特隊(…科学特別捜査隊が昔の総称)に。

でも、樋口監督、庵野合わせて、シン・ゴジラから固いでしょ、お話が。リアルなんで-そう作ってるのは、分かる。子供なんて勝手に解釈するから、怪獣ものはゴジラにせよウルトラマンにせよ、出てれば嬉しいもの。

けど、TVではこんなに難しい話しを作ってなかったと思う。確かに80年くらいは特撮がトレンディドラマ要素を入れてたし、男女の恋愛も入れてた。 でも、複雑ではなく、あの人がこの人を好き!くらいで。

 その後のウルトラマンはどんなドラマの中で繰り広げられたかは知らないけど。今でこそ、仮面ライダーは20年くらいには難しい話になったけど(龍騎しかまともに見てないけど)。 とりあえず、シンは固い子供には難しいかなと感じた。それが現代的と言われたら、それまでですが。

 あと…ゾフィーって、光の国…M78星雲の人(最初は宇宙人…と表記、シンだと外星人?)ウルトラマンの長兄だったと思って混乱した。 しかも作中には偽のウルトラマンが出るし。偽と違ってゼットンを操る星人側だった。

 詳しくはゾフィーのWikipediaに書いてあるが。そして、ゼットンは“ゼットン…ゼットン…”と言ってたが、言ってたかもしれない!昔も。

朧げな記憶が知識が少しずつ蘇り、懐かしさも極まりないシンウルは、見ていくうちにウルトラマンが好きになる作品かもしれない。斎藤工をだ。

シンウルに関しては、何も情報を入れずに見たのでヒロインが長沢か…と言うのも、驚いた。こう言う作品て、男中心だと綺麗どころを際立たせないのは、わざとなのか。まぁ、ヒロインと言うか、ヒロインでは無い仲間と言うか。

 メフィラスには山本耕史で、ビックリした。似合うね、メフィラス。

そして、物語は佳境に入った時には…ゼットンに滅ぼされる世界だから、国民にも知らせないと言う選択肢。日本人らしい。

でも、ウルトラマンが滝に託した計算式を解く事で見える、世界が無くならない方式を世界中の科学者が解く為に世界の命運がウルトラマンに託されたと知られてしまう。

 そこで残りの時間を…知らされたとしても、巨大なカイジュウの前になす術なんて無いんだ人間はとも、思う。

浅見さんが神永ウルトラマンに“いってらっしゃい”と言うのは、エヴァでシンジ君にいってらっしゃいと言うミサトのようだ。 ウルトラマンは綾波レイのような無表情で。

総じてエヴァっぽい。樋口監督の作ったエヴァ?(笑)

 だが、オトナの描写の様に、ウルトラマンが浅見の匂いを嗅ぐシーンが、庵野監督の奥さん安野モヨコの‘働きマン’の描写に似てるのも分かる。ウルトラマンが匂いを嗅いだり、浅見が巨大化させられ、リクルートスーツで歩くだけで性的に感じると自称フェミを名乗る人が騒ぎそうと思ったが、あまり聞こえてこなかった。

 匂いを嗅ぐ=SFの描写だ!と言うツイートにリプを“嗅ぐ行為はどちらかと言うと大人の性的な事の描写であり、SFでは無いと書いたら、一部から叩かれた…。いや噛み付くなよと思った。

匂いを嗅ぎ尾行するのはSFみありますかね?無いと思う。

嗅ぐのは性描写を思い浮かべる人もいるのでは無いかとリプしたのは、私の感想であり、生々しく想像はしてない。男女なので撮りかたによってそう見える事もあるのではと思った。必ずしも、嗅いでるシーンを見て気にしてないけど、ソレを思い浮かべる人もいるのかもと軽い気持ちで書いたのだが。

 そもそもの表題は、嗅ぐ=SFとは…私は思えないんですけど。

 それはそうと、ほかに気になった点は神永の公安の時の親友?加賀美さんだっけかな。ウルトラマンが拉致られる前のシーンで、神永さんと思って色々、ザラブに付いて調べた事を話すシーンは、セリフの長さがお経の様に聞こえた。(褒め言葉好きなシーン)

 総じて、見どころもあり、それに加えて、米津玄師のエンドロールが良かったんだけど、あの終わりかたで感極まれないよ…。泣いてくださいと言わんばかりの終わりかたで…。シンゴジと違って、圧倒された終わった!ではなかった。

ちなみにシンゴジはゴジラ好きな私でも好きです。 シンゴジとシンウルで違うのは、やはり、監督の違いかな。 シンウルは二番煎じみたいな…。

 良いんですけどね、全体的には面白いので。

シンウルが細くても、カイジュウがシンゴジの第なんとか形態っぽくても。面白いは面白いけど、煮え切らない感もありましたね。

過去のウルトラマンの音楽を使っても、そんなのシンゴジだってオリジナルのゴジラの音楽を使ってた。シンゴジはゴジラにシンウルより詳しかったから、シンウルにそう言う音楽の感動は無くて。

あ、ウルトラマンって、飛ぶ時、デュワ!と言ったり、シュワッチとか…ちょっとその音がなかったのは寂しかったかも。 要は庵野樋口の記憶のウルトラマンをシンに現代風にしたのは、よく分かったし、シンエヴァとシンゴジの時から、このキャストを使えば許してくれるって感じする。

 熱い戦いじゃ無いしな。7.80年代の泥臭い戦いは無くなり、シャープなんだよ、だからウルトラマンもシュワとか声出さないcool感なんだよね。

総じては良いんだけど、そこまでの感動はなかった。感覚、面白いって感じでした。あと、なんか感じたけど、ちょっと忘れてしまった。熱い戦いで子供が応援してくれてあんまり説明がいらない様な、泣ける感動作を求めていくとしたら、違うなって気がしました。

あ、ウルトラマンて基本、人間が変身するものではなく、今回の様に擬態した形になったり、ウルトラセブンだと最初から宇宙人で人間の格好をして、科特隊に入隊するものだったと思う。シンウルでは、神永が亡くなってしまっているので、神永の記憶も継いで無い設定の様なのが悲しさはあった。

あと、ウルトラマンはなんだか知らないけど、日本が、この地球が好き!って設定は神永に擬態したからって言う理由は弱いかなと思った。立ち位置が不明瞭。もっと好きをメフィラスくらい全面に出しても良いのにね。其処は気になった点かな。

ゾフィーが山ちゃんと言うのは、最近の作品、大体メインキャラ、山ちゃんの声で…また山ちゃんかとも思った。良いんだけどね、山ちゃんの声は。

今日、斎藤工さんのNHKでゲストでバラエティー番組見てたけど、斎藤工さんが多彩な才能で驚いた。

斎藤工・企画クレイアニメの制作現場に潜入!~『映画の妖精 フィルとムー』はこうして作られた~:第30回東京国際映画祭|シネマトゥデイ
俳優・斎藤工が声優を務め、本名の齊藤工名義で企画・ストーリー原案・キャラクター命名・脚本に携わったクレイアニメーション『映画の妖精 フィルとムー』(秦俊子監督)が、10月28日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われる「WOWOW映画工...

おススメです。

最期に、光の国がM78星雲にあるけど、ウルトラマンがピンチでもウルトラの父も母も兄弟も助けに来ない世界線で寂しく感じました。

シンウルトラマン画像(allcinemaより)

映画『シン・ウルトラマン』国内評価

早くも、評価が高いですね。

allcinemaでは『シン・ウルトラマン』の評価は、6.9/10

KINENOTEでは、『シン・ウルトラマン』の評価は76.4/100

Movie Walkerでは『シンウルトラマン』の評価は4/5

映画.comでは、『シン・ウルトラマン』の評価は、3.6/5

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました